木曜日、杏子さんと下北沢でふらふらとした。 このところ調子が悪いのが続いていたので、とても緊張して、正直なところすこし怯えさえしながらこの日を待っていたのだけど、すべては考えすぎだったようで、杏子さんはなんとなく飄々としていて、自分の予想と…
生活のいちいちが美しくてそれにばかり目を奪われてしまう。たとえば今日の五時、西の空にあった黄色くて丸い月が小学校の窓にぴかぴかと映って、歩く私をゆらゆらとおばけのように追いかけてきていたこと。そしてそのときまるでまったく夜になってしまった…
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