2010-01-01から1年間の記事一覧

わたしという人格が薄くなる。

コーヒーの味を好きになったこと自体が少女時代の明らかな終わりだ。古い安アパートのような部室棟の自販機で温かい缶コーヒーを買って手を暖めながらタバコを吸う、友達とは二人なら不幸話をしないでも安心して話していられる、取り留めもない馬鹿話が口を…

utiage mousinai

打ち上げが明けて朝5時、表へ出るとねっとりと塗りつぶしたような曇り空はちょっと異常な感じがして、コクーンタワーをのみこみそうだった。鬼太郎がやってきて妖怪大戦争でも起こりそうだとわたしはおもった。何杯飲み下しても酔えなかった夜の間に、津波が…

現実の自分と言葉の中の自分を丁寧に分離させておかないとダメージを受ける羽目になる。 痛い子、たくさん考えることは諦めた、それでも絶望だけはしっかりしてる。 「暇なだけ」「○○なだけ」「○○だ、いや○○だけど」こういう、先回りする、見透かしたふりの…

死んだら半年

わたしは男の子ではない、湿っぽいやわらかい粘液質の諦め、受け入れるための体のつくり気持ちのつくり、これだけは抗いようもなく変えようもないし体力のなさも仕方がない 頭の中では涙が流れる、何度もギターを大破させ人の髪を掴み引きずり倒す、だけれど…

一年後の世界

高校時代付き合いのあったひとが自殺した。その知り合いに瓜二つの、その弟のピアノを、汚れた人工の波打ち際に聴きにゆく。コンクリートに仕切られた人工の海には不格好なヒトデしかいない。その一匹をわたしは捕まえて、nに見せびらかした。ほら。あんたこ…

好きな漫画は 大島弓子

五月の晴れて暖かい日に白い花が咲くりんごの木の下でシロツメクサで冠を編みたいBLTサンドを食べたい、木綿の白いワンピースを着てしなをつくって大人しく座っていたい。 だけれどわたしは知らない。りんごの花が5月に咲くのかわたしは知らないシロツメク…

私の右の奥歯には深い穴が開いていて、その暗さを覗き込むと真っ白い顔のわたしがしゃがんでいてこちらを見返している

「あくまくん」のオープニングをコピーしたい

年末、知人がひとり死んで、その追悼とかこつけてはラーメンを食べている、その知人とラーメンを食べたことはない。 親の金で三鷹に一人暮らしをしていたヒロくんは純然たるニートで、職歴が全くないどころか携帯電話でメールを打つことすらまともにできない…

初夢地獄篇

わたしは女子高生で、かつてそうだったように、短いプリーツスカートを履いていた。 tさんはわたしをかつてのように「女子高生」とか「JK」とか馬鹿にしたように呼び、二人して手をつなぎ、下北沢の街を下っていった。 こんな気分だったな、とわたしは思う。…