言葉はいつも役立たずだし、泣きたいときに涙は出ない

ノルウェイの森」をtさんと大きな会場のスクリーンで観る、という夢をみた。会場は立ち見の客で満杯だ、だけれど、後ろで立っている私にもスクリーンがはっきりと見える。 「あ、これはダブルセックスシーン」とtさんがわたしに教えるように呟くが画面は真っ黒で喘ぎ声がするばかりだ。画面は雪で一面覆われた森にある一軒家に移る。郵便屋が郵便を届けに来る。女は頭が悪くて手紙の内容を理解していない。その手紙はとても大切なものなのに。
わたしには、この夢が確かに何かの終わりのような気がした。
目を覚ますとコーヒーの匂いがしてこういう夢のあとには気が利いていると思った。久方ぶりに午前中に起きて食事をする。最近になって量の増えた薬も飲む。薬の量が増えてからの調子はなんとなくいい。薬代は二週間で四千円近くなる。たぶん少ない方なのだろうが馬鹿馬鹿しい値段だ。
薬とは関係無いだろうが生理がだらだらと続いて終わらない。もう二週間にもなる。少ない量の出血が続いて終わらない。それでなんとなくだるくて眠ってばかりいた。
いくらでもコーヒーを飲んでしまう。躁状態になっていることが自分でもわかる。それを恐ろしいと思う。心が浮き立っているのにそれを恐れるのは不思議なことだ。自分の感情にさえ穿った見方でかからなければならない。自分の視線の中でずっと生きてゆかなければいけない。自分をうまくなだめすかして。
煙草を吸いたい。