昔長く付き合った人と付き合い始めた記念の日をすっかりと忘れていた。死んだ友達の誕生日も彼が死んだ日も忘れてしまった。
なにもかも忘れてしまう。
強い決意をもって新しくひとを好きになろうとしたことも、忘れてしまうんだろうか。
新しいことを始めることは恐ろしいことだがそれに立ち向かってこそ大人だとわたしは思うので大人として立ち向かってゆこうと思います。そういうことを確か書いたんだった。
わたしはこのさきどのように歳を重ねていくのだろう?


8.3
ひとに借り出されて映画撮影のスタッフをやる。わたしの役割はだいたい買い出しと子役のお守。
普通の人、と、普通に会話をする、ということにとても戸惑いを覚える。下品な話ができないとなると、話すことがなくなってしまう。
子役の子は可愛かったが、このような環境下に育てば、ひとを差別しないような顔をすることも上手になるだろうし、人を見る目も培われるだろうなあと思った。健やかに育ってほしい。
息苦しい、現場を発って友人hの誕生日を祝う、友人と言っても4か月ぽっち付き合っていたことのある男で、kさんという友人の親友と、Oさんという友人hの婚約者の導きで、ケーキを準備して、プレゼントを準備して、こっそりとそうした下準備を済ませて、隠れるなどする、全く全ての段取りを無視して部屋に直行するh、すべて想像通りだった。夜中にぎゃーぎゃーと騒ぐ。ジョニー大蔵大臣や三輪二郎もきてなんだかよくわからない夜だ、セッション大会が繰り広げられだした頃わたしは元彼の婚約者のベッドで寝た。非常に気持ち良く寝た。愉快だった。他人の失恋話はみな笑える。ぬるい、バンドつながりの、ただのともだちたち、つながりの浅い、本名さえ知らないようなひとたち、そうでないと、うまく話せない。
もう一度占いに行こうと思う。