「くたばれサブカル」

長く腐っていた爪が落ちるように、わたしもいつか限界を超えてしまうだろう、と、思うこと自体が甘い空想であってわたしはいくらたっても強かに現実に向き合ってきちんと生きてゆけるしそうあっていなければならない。今夜は昔入っていたサークルのゆるい集まりに参加したのだけれどわたしはずっと目玉が上を向いてしまうという現象にとても困っていた。わたしがおかしいということは皆重々承知の上なので(だいたい自分を「おかしい」と定義することが自意識過剰で馬鹿馬鹿しいが)、誰もつっこんではこなかったし皆優しかった。いつもの、正式名称を誰も知らない中華で、煙草吸ってコーラばかり飲んで、馬鹿話。たぶん、普通の人の普通の会話にわたしはついていけないことをいつもこういう場で自覚してしまって、苦しくなる。「元気出せよ」と何度も言われる。バンドマンと飲んでも変わらない。わたしは世間を知らない。ずっと布団に潜ってばかりきたし、いまもそうだから。メジャーなカルチャーを何も知らない。だから、サブカルに潜り込むしかなかったんだよ。
休みに入って暇な時間は眠ってすごしてばかりいる。一日18時間くらいは眠っている。中学生のころの夏休みに逆戻りしたみたいだ、何も予定が無くて、目が覚めればインターネットをして、また眠って、今は睡眠薬を処方されているから際限なく眠ることができる。眠れるだけ眠る。薬を飲んででも眠る。((C)Paradiseか(C)華倫変かわからないな)こんこんと眠る、とはこういうことを言うのだと思う。ひたすらに眠る。そういうときの想像はずっと変わらない。自分が大きな幼虫になって、繭を作り、そのまま腐りゆく。


長く連絡を絶っていた友人から唐突に電話が掛ってきた、ゲロマン*1だ。それなりに気にはしていたが前にも増して幼児退行が進んでいて不安になる。「あのね、えっとね、うんとね…なんだっけ」といった調子でしゃべるのでこちらはかなわないがそれでも彼には彼女がいるらしい、世の中はよくわからない。「この間はごめんなさい」と謝られる。彼の、「お前がヤリマンなのは、お前がブサイクだからだよ!」という捨て台詞はなかなか斬新でウケた。彼でもどっこい生きているのだからわたしだって生きてゆけるだろう。

*1:彼は打ち上げでゲロを噴出して退場して以来「ゲロマン」と呼ばれている