utiage mousinai

打ち上げが明けて朝5時、表へ出るとねっとりと塗りつぶしたような曇り空はちょっと異常な感じがして、コクーンタワーをのみこみそうだった。鬼太郎がやってきて妖怪大戦争でも起こりそうだとわたしはおもった。何杯飲み下しても酔えなかった夜の間に、津波がどこか街を飲みこんでしまっていても今朝なら納得できそうだった。眠たかった。化粧が眼の下について顔色は悪く見えて、髪と洋服は煙草の煙を吸って重く匂っていた。部屋でなら弱い度数のひと缶で眠れるのに、面識のないひとや名前くらいしか知らないひとたちと飲んでも、まったく酔うことができない。イヤホンを耳に突っ込むとさっきまで話していたひとが歌っていて変な気分になった。