初夢

tさんと、道に落ちていた靴を拾って売ろうとする。
靴の片方は水溜まりに、もう片方は「マリーナ」に落ちていて、その水は緑に濁っていてきれいでない。この「マリーナ」は、海辺ではないけれど、海の水を池のように囲ってつくってあって中央に島がある。いくつかのモーターボートが海水に係留されていて、中央の島ではそれに客をのせて島のまわりを一周することで金をとって経営を成り立たせているらしい。*1
「マリーナ」の奥には池と事務所があって、事務所には、ちいさなカプセルがいくつも保存されてあって、中には圧縮された人たちが体をばらばらにされて羊水につけられて入っている。首以外が鶏の水煮にそっくりで、わたしはそれをまぜこぜにしてみた。
そのことがみつかってtさんとわたしは「マリーナ」の経営者に巨大なオブジェを投げつけられたりたいへんな目にあう。
池の方へ逃げると池にはイモリがたくさんいる。


わたしがまぜこぜにしたせいで、水煮だったひとたちは、もう一回人間の形に戻ったときに狂っていた。


筋がある夢とない夢があって、たいていわたしの夢にはある程度しっかりと順序をもってひとつの時間軸の中で進行してゆく。そこから外れた情報は文章にするときに落ちてゆく。落ちる情報が多い夢は物語として成り立たないからうまく文章にできない。初夢は、割とそういう種類の夢だった。意味のない、筋から外れた景色が多くて、わたしはどうしてもそのことに触れたくなってしまうのにそれを省いて、こうしてお話のかたちに仕立て上げたことで、そういう情報はわたしの記憶としても落ちてゆくんだろうと思う。
わたしの夢にはよくイモリがたくさんいる池が出てくる。そういう池をみるとわたしは嬉しい。両生類や爬虫類がわらわらいるのは可愛い。

*1:たぶんほんとうのマリーナというのは、海で船を預かってくれるようなところ