最後に何を話したか、全然覚えていない
最後にかかってきた電話をとることができなかった。
わたしは眠っていた。
なき続けていたら坂本さんのような顔になってしまっていまだに戻らない。
生活にかまけている間は忘れているのに、ひといきついて床につく。などすると、こういうときに、電話していたことがよみがえってくる。
彼との会話は言葉が生活をのりこえてゆく地点にある貴重なものだ。
はやくまた馬鹿な話をしたい、陰鬱な気分を、たがいに笑い話にしてしまいたい。