虫1

なぜか居間にポリタンクがあって、大きさが手頃なので抱きしめてみると、取っ手のあたりをちいさな赤い葉ダニが歩いていた。指で押しつぶしてみるとたぶん半分につぶれてぴったりポリタンクの表面へはりついてしまっているにも関わらずまだ足だけが歩こうとするように素早く動いた。長いこと動いていた。ダニは小さいから力をかけても指の指紋の加減とかによって力のかからない部分があって大事な中枢とかが生き残っているのかもしれないと思った。昼食をとってもう一度みてみると静かになっていたけれど息を吹きかけると明らかに息のためではなくまた一生懸命動いた。不思議だった。