2008-03-13 い 彼は指をなめて、頭の上にかざした。だがすぐに下ろした。天火の中のように熱いのだ。 「空気の中に、恋の気配がある。ものすごい熱さだ」と、コラン。 「私は立ち上がる。お前は、彼は立ち上がる。我々は、あなたは、彼らは、立ち上がる、立ち上がる、立ち上がる。コップの中から出たいかい」 ネズミは、独りでさっさとコップの中から出て、別に誰の助けも要らないことを証明した。ついでに、おしゃぶりの形にシャボンをかじり取ったのだった。 ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』 *1 *1:こんな引用をしたからって、別になにか意味があるのじゃない、へんに勘ぐったりしないで!