愛しいわたしの内出血/わたしの愛しい内出血

沈丁花がいつ咲き庭のアネモネにいつつぼみがつくか気にしている。もう気持ちは春で血液がざわめきたって気持ちが悪い、血が血管を内側からやわく掻くから痒くて仕方がない。春の焦燥感は年末で清算したつもりになり正月で先送りにした諸々の現実で暖かくなると急に雪の下からオオイヌノフグリの青色と咲く。皮膚の下に卵が孵っているような気がして、萎えて柔らかい腕の肉を吸うと痕がついてそれをするのは神経症のやつらだからやめなさいと叱られた小さい頃を思い出した、わたしは立派な神経症患者になりましたお父さん。
わたしが見ている世界と他人が見ている世界がぴったり同じであるかどうかなんてどうやっても確認できないのだとわかったとき、わたしはどうしようもない寂しさを感じて、それからわたしが何を考え何に気が付こうと生活は変わりはしないしわたしの現実に対応した生活を営むしか選択肢はないのだとわかって考えることをやめた。11歳だった。
愛しいわたしの内出血。