体を折って、机に伏せて眠ると、血流のゆきかたによっては死んでしまうことがあると聞いた。
わたしはよく授業中眠る。
中学生の終わり頃は、6時間中の4時間を眠っているようなことはざらだった。体育の授業も体育座りをして抱えた膝に頭をつけて、話を聞くふりをして寝ていた。美術の授業は、分担作業の自分の仕事を終わらせてから、画集のある資料室で、同じようにして遊んでいる子たちと話ながら寝ていた。(これはわたしにとってはちょっと甘い思い出だったりする。)怖い理科の先生の授業も最前列で寝ていた。学校へ着くとすぐコートを頭からかぶって寝ていた。
冬はとくに、自分の皮膚が乾くのや、足の先が冷えるので、けっこういつも暗い気持ちでいる。冬に生まれたけれどわたしは冬がとても苦手で、季節性の鬱というのがあると聞いたけれどそれじゃないかとさえ思う、苦手だからやりすごしたくて、できるだけ寝てしまう。時間をたくさんのみこむようにして寝てしまう。
机に伏せて眠るとたしかにおなかが苦しくなるから、内臓にあまり良くないんだろうとは思っていた。ガスが溜まっている感じがして、起きてから、ゲップがたくさん出る。かっこが悪いし、気分も良くない。眠ると疲れるのがわかっていて、それでもいつも眠っていた。
さっきわたしの身体にはまだ今朝見た都合のいい夢の感触が残っていて、夢の中の、エチゼンクラゲの光り方は忘れても、それを忘れないでいたい、忘れないでいたいから、いま眠っている間につづきでも見るか死ぬかしないかと思ったけれど、どちらもなくて、いま目が覚めて、おなかがいたくて、ゲップが出ただけだった。
頼んで頼んで、やっとひとに一度だけぎゅうと抱かれた感触はもう忘れていた。


宣言するまでもなくゆるやかに離れてゆこうと思っていたけれど、自己顕示欲を満たすには、mixi以上2ちゃんねる未満で、はてなはとっても便利。