とかげ

夜になると家々もその色、暗がりに蒼然とさせて眠るような感じ、家へむかう途中の坂道は街路樹の緑と街頭の光のぽつぽつあるのだけ等間隔に据えつけられてあってすっとくだってゆく。立ち歩くひとは全然いない、一年くらい前か、この坂を下った先にある大型古書店でアルバイトをしていたときはこの道を夜にひとりで歩いて帰るのがとても好きだった。坂のふもとにある交差点で、十時を過ぎてスーパーも閉じて自動販売機ばかり白々ひかり、車も人気もないのに信号がかわるのが面白くて好きだった。わたしは車がなくても信号を守って道を渡った。
生きてると空気やら植物やらなにかと面白くてたのしい。セイタカアワダチソウが思いがけなく黄色い花をぽっと咲かせて伸びるの、オキナグサ押し花にすれば毛が銀色にひかってきれいで、キンモクセイはいいにおいさせてカラスウリの花は白く幾何学的な感じ。
生きて息吸うのが大好き、生き物だから。
でもなんでうまくゆかんのだろずっとひとをすきでいたかったいたかったよ。

やっぱりさみしいです。

はかたてんじんのうまさがどれだけわたしのこころをささえてきたか!
こころがおれそうなときいつもはかたてんじんたべるのかんがえてのりきってきた