金木犀が雨に濡れてよく匂うので、押し花にしようと思った。
ちいさな十字の花をそえて、手紙を出してみようと思った。
部屋には広辞苑があって、押し花を上手につくることができる。
岡崎京子大島弓子の読み過ぎのような感じもあるが、元からこういう性質でもある)
でもまだ咲いていなかった。
みかんの皮の、内側のぽろぽろしたところと
金木犀の花の、みためや匂いは
すこし似ていると思う。


子供のとき金木犀の匂いをもってかえりたくて、息をたくさん吸い込んで、とめて、そのまま家へ帰ろうとしたり
「香水」といって花の落ちたのをあつめて、水といっしょにビニール袋へいれて、腐らせたりしていた。