すっかり自信をなくしている、今、君と話したらなんて言われるのだろうと考えて、口に出してみた
わたしはすっかり頭の中で君を殺してしまっている
君が失踪してから、毎日つまらなくてしかたないよ。
最後に何を話したか、思い出せない。
だからまた毎晩くだらない電話がしたいと思って、待っているけれど
口調ばかり文字になって思い出されて君の声が不確かになっていっている、たった二十日ばかりで。
おいおいきのこ。大丈夫かい?君は僕より頑張ってるよ、僕は君は才能があると思うよ。
なんでもないように、電話をかけたら、そうやって出てくれないかな。
この夏ずっとそうしていたように。
都合よく話を聞いてくれる君がいなくて、毎日つまんないよ。
生活は糞みたいだ。
また、愛やら恋やらについての、馬鹿馬鹿しい話がしたいよ。
君は社会のゴミみたいな奴だったよ。
警察に捕まったり病院へいれられたりして、それでもわたしは君が必要だったよ。
あんなに話をしても、全然恋愛感情を抱かないくらい、君のこと好きだったよ。
過去形にして、君を殺してしまわないと、かえって私はやりきれない。
でもわたしは、君と年齢を重ねてゆくの、楽しみにしていたよ。