ヴァルネラビリティ

髪の毛を抜く癖は治まることがない。ストレスの少ない時期には影を潜めるだけで、強いストレスに出会うとすぐにそれが出てくる。
予備校へ行くたびに髪の毛を抜いてしまう。このままだとわたしは受験が終わるまでにはハゲになっているのは間違いない。だいたい、もうすぐ始まる学校の授業にしたって髪の毛を抜いたりせずまともに聞けるのか自信がない。また、毎日、したいこともできず、しなければならないこともできず、ゆっくり眠ることも出来ない日々が始まって、その間にわたしの寿命は徐々に削られて、わたしの若い時代というのが終わる、そうしてわたしはロクな人間にならずに終わる。
学校がせめて週2日休みだったならやっていけるかもしれないと思う。体力というのは本当に大切だ。いつも、体力が足りない、と、思う。この年頃の子供にあるべき体力というのがわたしにはない。(それでも中学生のころに比べたら、いつの間にか随分強くなった、教科書の入った鞄を持っての登下校だけで疲れきったりはいつの間にかしなくなった。)ストレスに耐えうるだけの体力が、心身ともに必要だ。
わたしは脆弱だ。
傷つき易い訳ではなくて。
傷つき易さのアピールはとても恥ずかしい。
こうやって防御線を張るのはもっと恥ずかしい。