思い通りの子供には、なれなかった、
誇れるような子供でもない。
母親が黒板を引っ掻くような声を出すのは私が神経を逆撫でするような存在だからなんだろう、と思う。
些細なことでも、苛ついた、批判の、失望した声が降ってくる、そういうとき、鼓膜から、その気持ちが、逃れられない電波みたいに、ぎりぎりと脳に伝わってくるような気がする。
謝っても許してもらえない何回謝っても許してもらえない何をしても許してもらえない。
金食い虫ならいない方が良いのかな、私が死んだら果たして母親は泣くのか正直なところ疑問に思う。もし、良く出来た兄弟がいたら私は完全に見捨ててもらえただろうに、たったひとりの子供だからそれでも期待という名前の義務を背負わされる。


消えていなくなりたい、ごめんなさい。
思い通りの子供になれなくてごめんなさい。
十数年しか生きていないからこんな風にしか考えられない。
ただ居るだけでは、ただ生きているだけでは、居ない方がいいのかも知れない。