足のつかない

このところはすこし慣れて、さすがに毎度毎度ではないけれど、恋人と別れて家に帰る途中に、よく、泣いてしまう。
またしばらくわたしに触れる体温は無いのかと思うと泣いてしまう。
みすぼらしくて小さくて汚いわたしに触れるひとはいないのかと思うと泣いてしまう。
わたしはコップの中の氷みたいに小さく小さく、日曜の、たくさんのひとの乗った電車の中で消えてしまうような気がする。
しあわせでないといえばうそになるけれどときどきすごく悲しくなるときがあってつらい、それでもわたしは随分と救われて生きているって。