このところはすこし慣れて、さすがに毎度毎度ではないけれど、恋人と別れて家に帰る途中に、よく、泣いてしまう。 またしばらくわたしに触れる体温は無いのかと思うと泣いてしまう。 みすぼらしくて小さくて汚いわたしに触れるひとはいないのかと思うと泣い…
矢川澄子「反少女の灰皿」「矢川澄子作品集成」
向かっているのか、前なのか、後ろなのか 満ちているのか、干いているのか 歩いたり目を泳がせたり手をふらつかせたりわたしは夢をみようと必死になっているよ 目をつぶったら眼孔の裏側の真っ赤なはずの真っ暗 流されないように目の縁をつかまえておかないと
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