鳥とmwjhkんm。

休みのfと電話する。風呂の中にいるらしくて、僕はすっごくふやけてる、溶ける、溶けて消える、それで最後に、僕の電話を持っている手が溶けて、電話が浴槽に沈んでいって、君の僕を呼ぶ声だけが、響くのであった … とかfはほざいていた、そこには何か誤魔化す気配があってわたしは不安だった。それでそこには電話とfのスープだけが浴槽に残っている訳ね、でもわたしは、あなたが死んでも死なないよっ 死にませんよ。とわたしは言った。わたしは何があってもたぶん素敵に劇的には出来ないし生活を続けてゆくしかできないんだろうと思う、というか実際、これまでもそうとしかできなかったし、生活はそういうものでしかないんだろうと思う。f、ないしは他のどの人も、わたしのことを文章にはしないからわたしはぜったい物語になれない。誰かがわたしのことを描いてくれたらいいのにと思う。誰かがわたしのような女のことを書いてくれたらいいのにと思う。わたしは病気だし簡単に男のひとを逆上させられる病気なんだと思う。前に付き合っていた男のひととかにはひどいことばかりしていて本当に申し訳ないと思っている。fにも。でも反省はしない。だから刺されるだろうなと思う。その前に首絞められて死にたい。fが電話の向こうで、わたしの貸した「僕の小規模な生活」を読んでいる。わたしはせめて「妻」みたいになりたいなー、とか思っている。
女の子はやっぱり不完全なかわいさの女の子がかわいいな。というのは男の人なら誰だって同意してくれるんじゃないか。瞬間で表情の変わる女の子、戸川純とか、こう、カメレオンのような女の子はいいな。
入試がひと段落したころには、また海へゆこうと思う。最後の、短いスカートにハルタのローファーで、海へゆこうと思う。三年前、そうやってわたしは桜貝とガラスをひろってきて、fに渡したんだった。その日は確か6月あたりの、まだ暑くもない曇った平日の昼間だったというのに、水着で寝転んでいる男女がいて、この人らは何をしているんだと憤ったんだった。海の家を建てているお兄さんたちに、あの女の子なんなんだ?と言われているのが聞こえてちょっと気持ちがよかった。いかにもドラマチックで、あれはよかったな。
やっと少し体重が減ったのに、アイスが食べたい、アイスが食べたくて死ぬ、むしゃくしゃすると腹筋をするようにしてる。
作為が本当に嫌いだ、作為まみれのくせに。