日記

実はわたしの家ではイモリを飼っていて、一時期その水槽が食卓へと置いてあった。わたしの家族は食卓にイモリがいても、へいきでその顔を眺めながら食事ができるようなひとたちでわたしも同じだ。
その一時期に、真夜中ひとり起きてインターネットをしていると、イモリが意外ににぎやかであるのに気がついた。家の中が静かになると、イモリが喉を鳴らして鳴いている音や、口からまるい空気の玉を吐いている音がよく聞こえるようになるのだった。
イモリは夜、同じ両生類のカエルのように、赤い喉元をひこひこと動かして、キュッ、クッ、と短く鳴く。
それで、今日こうしてインターネットをしていたら、水槽は外へ出してあるはずなのに、イモリの鳴き声に良く似た音がする。何だろうと思ったら、雨が窓に当たっている、ぴちゃぴちゃした音だった。夕食のあと窓から外をみていたら、驚くことに花火をやっているのが見えて驚いたとうのにもう雨なのだった。梅雨なのだった。うちは高台に建っているので、夏には横浜の花火でも品川の花火でもよく見える。
イモリはたぶんベランダの水槽の中で雨を浴びている。四国は四万十川の近くで小学生のときにつかまえてきたイモリたち。こういう雨の日、どこかへ逃がしてしまいたくなる。きれいな水の中にたくさんイモリがいる夢をよく見る。雨の道の上をイモリが歩いていたら、夢のようで素敵だろうと思う。両生類だから、いずれひからびて死んでしまうのだろうけれど。
わたしは言うことなすこと芝居がかっていて、女の子のともだちの中でも仲の良い子と話していて思ったのは、頭のいい人と話すときは特に用心に用心を重ねて予防線を張るので、それが翻って卑屈な感じになっている。意識がまとわりついて意図が絡まって本当に良くない。


自分が多情だと認めてからそれがより一層ひどくなってしまって困る、一生自分は一途な人間だと思い込んでいればよかった。
さいきんの森にえさんの日記を読むとよく涙が出ます。