以前は、新聞に比べてインターネットが目新しく面白いものであったのだけど、最近はまた新聞ばかり読んでいる。毎日あれだけの量の完成された文章が手元で読めるのは嬉しい。新聞の文章は意見の結論をだいたいは明確に提示しているので、そういうことのできない自分が文章を書くのに参考になってきそうだ。


夜の犬の散歩へいって、空気の生あたたかさとあまいにおいにおどろく。うめの花が咲いているから、そのにおいがとおくからとけこんでいるのかと思う。うめの花はあまい匂いをさせるけれどはたしてその蜜はどれくらいあまいのだろう、そして空気に糖分が溶けこむことはあるのかしら。春だと思う。近所には畑があちこちあって、土がいいので一面にオオイヌノフグリホトケノザが青や紫に咲くの、野生のエンドウがきれいな黄緑でしげりだすのなどなかなか心打たれるものがあって、俳句でも作ってみようかという気になったけれどうまくゆかなかった。すこし歩いて家へ帰ってくると門のところに大きなクモが影のように動いているのをみつけた。夜にクモを見るのは縁起が悪いというので、今日のヘマばかりしたのはすべてクモのせいだったのだということにした。使おうと思っていたカバンの中でおにぎりが腐っていたのも、行こうとした印刷所が定休日だったのも、また待ち合わせに遅刻したのも、今日は夜クモを見るようなついていない日だったからしかたがない。
男の子のような髪型にしたのだけれど、この髪型では洋服が選びづらくて、中野のコスプレの店でかつらを買った。しかしいかにもヅラなのでひとりであれをかぶって出かける日は来ないだろう。ついでのタコシェで室井亜砂二の女犬本「哀犬倶楽部」が定価2800円が800円に値下げされているのを買う。1000部限定。ついさいきんどこかのサイトでこのひとの絵をみて気になっていたのでタイミングがよかった。女犬もよかったけれど人形をテーマにしての絵などよかった。「ブルマーの社会史」は買わずに帰る。fから山口マオさんのタオルハンカチもらう。
人口密度の高いところへいるとfがだんまりになって空中をみつめだすのでこわくなる。
帰りのバスの中からみた林がねこの背のようなかたちをしていた。