おくすりはあと二錠

朝からカフェインしかとらずにきりきりと動いていたら、夕方あたりからバランスを崩してしまった。目が霞み耳鳴りがしたので、面倒だったけれども燃料だと思って遅い昼食をとってアルバイトをした。ひたすら調子が悪くて、誰も彼もに蔑まれ疎んじられているような気持ちにとりつかれながら働いていた。途中、鎮静剤を飲んだあと、手の震えは完全におさまってすこし気分もよくなった。それでもずっと人の顔を見れずにいた。
身体と意識が互いに遠く離れて無関係なようになっていて、自分の生命の維持に関してとても無関心になっている。
(そのくせ精神状態は体調にひきずられ体調は精神状態にひきずられる。)
空腹と食欲が直結しないので、食事をすることがとても億劫だ。朝食をとるのを忘れがちなのは前々からではあるけれど、最近は食べることが面倒で、度々昼食もとばしている。ここ数日は夕食しか食べずに過ごしている。夕食だけは、いくら億劫でも親の前で食べるので、咎められないよう普段どおりに食べている。食べたものは吐かないようにしているし、吐くのさえ億劫なので、見かけにはあまり変化はない。今のところは、まだ。体重もあまり変わっていない、と思う。
健康な生活をすれば心もある程度は健全に保てることは重々理解している。そう思ってもどうにも食事が億劫で仕方ない。億劫だ、と言ってしなくていいことではないことはわかっている。けれど空腹でおなかが鳴っていても目の前の食事に唾液が湧いてこない。
非常に宜しくない状態だ。
死にたいとは思わない。ただ働いている間中、「首をつる」という言葉が頭の中に張り付いて離れなかった。