数日前から、喉の奥に身体の腐っているようなにおいがするときがあって、何のにおいなのだろうと思っていた。確かにいつか経験していて、しかもとても自分に密接なにおい。それがなんだったのか、いまさっきやっと判った。膿のにおいだ。巻き爪が食い込んで膿む足の親指や、寒さでちぎれて黄色い汁を流す耳たぶの付け根からしていたにおい。獣のような厭わしくて愛しいにおい。
どうやらわたしのからだは膿んでいる。既に。